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東北大学 多元物質科学研究所 ガラス工場

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製品・技術情報

製品紹介

パルスEPR測定用光照射型温度可変デュワー


本研究所に設置されたBruker社のFT-EPR装置に付属する窒素ガスフロー型の温度可変クライオスタットは、光照射が出来ない構造であり試料温度の精密制御の点でも問題があった。また、温度の制御は液体窒素の蒸発量のコントロールによりなされているため、安全性に欠けしかも室温以下の温度についてのみ制御される。観測温度の安定化はパルスEPR信号の時間変化にともない信号の相対的な位相が微妙に変化するために、精度よくその時定数を決めることが困難となる。そこでいくつかの試作を行った。

液体窒素デュワー


3重管(真空層が二重構造)にすることで内蔵のメッキ処理が容易になるとともに、先端部の高純度石英ガラスのみを洗浄できるようになった。

粘性率計の製作


これまで製作したガラス管細管粘性率計について、その形状の違いによる測定結果に検討を加えた、この検討結果は低粘度液体の精密な粘性率を測定できる細管粘性率計を設計するための資料として有用である。II、III型は今回低粘性率のフロン用にレイノルズ数(Re)が小さくなるように改造したものである。小型化のためにら旋状に巻いた細管をもつII型は、細管寸法、内径0.5mm、長さ100mmでPhillipsらのものとほぼ同型である。直管のIII型は、細管寸法、内径0.25mm、長さ100mmである。低粘性率のR12では、高温部で器差が大きくなっていく傾向がみられる。これらは、ら旋状細管の抵抗効果が高温部で大きくなり、最高測定温度343Kでは粘性率に対して14%の大きな補正を行う必要が生じた結果、III型の直管のものがより信頼できる測定値を与えるであろう。 いかにしてハーゲン-ポアズィユの式に合致した細管を作るかが粘性率計設計の要であり、これが今後の課題として残った、現在、III型を改良した粘性率計についてデータを蓄積中である。

窒素フロー型温度可変吸収スペクトル測定用デュワー


デュワーの特徴は直径24mmの低温用定電圧電解ー紫外スペクトルセルを挿入できる。市販のESR用窒素フロー型温度制御装置(バリアン社製、E-257)をそのまま接続でき、+50~-170℃で任意の温度設定ができ、1℃ごとの小刻みな温度変化も可能である。分光器(島津製、UV-240)の光束は最大14×4mmの大きさなので、直径22mmほどの窓が必要である。窓は石英ガラスの太鼓型セル、中の大きさ20mm、本体パイレックス。資料セル空間も14mm取れたので、よく用いられる枝付き10mmセルも挿入できる。

温度可変デュワーの試作


全長850mm、直径150mm、重量7kgの大型デュワーの試作品である。

パルスEPR測定用光照射型窒素フロー温度可変クライオスタット


FT-EPR装置に付属する窒素ガスフロー型温度可変クライオスタットは、光照射と試料温度の精密制御の点で問題がある。これら二つの点を改善するために、光照射が可能でかつ温度制御を厳密に行うことが可能なクライオスタットの設計・製作を行った。温度制御を厳密に行うために、従来の液体窒素の蒸発量の制御による方式を改め、マイクロ波空洞の直下にヒーター・センサーを組み入れて行うことにした。ヒーター・センサー部はテフロン製のホルダーに固定し、クライオスタットとの接続は下部にきられたネジを使い行った。ヒーター・センサーの入出力は市販の温度制御装置に接続され、低温の窒素ガスをヒーターにより昇温して制御される。長時間にわたり±0.1℃程度の温度制御を容易に行うことが可能となった。

電解セル


直径80mm、高さ55mmの電解セルである。ジョイント部まで、水冷ジャケットで覆っており、中の電解槽は試料溶液4ml・15mmのスターラーを使用できる。

技術報告

2010年~

³He偏極ガス封入用GE180ガラスセルの製作
工藤友美 第10回ガラス工作技術シンポジウム(2018)

アルミナパイプのめねじ加工
加藤拓也 第10回ガラス工作技術シンポジウム(2018)

リアルタイム計測を利用したガラス器具の歪み除去法の開発
【ガラスの歪みを理解するためのビデオ教材】
齋藤雄二 第9回ガラス工作技術シンポジウム(2016)

NC微細加工機による穴あけ・研削加工
佐藤綾香 第9回ガラス工作技術シンポジウム(2016)

光電子制御プラズマCVD装置用ガラスカバーの製作
齋藤雄二 第8回ガラス工作技術シンポジウム(2014)

燃焼による劣化が少ないカーボン治具の材料
加藤拓也 第8回ガラス工作技術シンポジウム(2014)

He偏極ガス封入用セルの大型化
工藤友美 ガラス工作技術ミニシンポジウム(2012)

任意の断面形状をもつ石英ガラスセル製作法の開発
齋藤雄二 第7回ガラス工作技術シンポジウム(2012)

He偏極ガス封入用セルの製作
工藤友美 第6回ガラス工作技術シンポジウム(2010)

レンズ加工講習会への参加と最近のガラス加工
加藤拓也 第6回ガラス工作技術シンポジウム(2010)

1969年~2009年

⇒1969~2009年の技術報告

ガラスの種類

使用しているガラス

 当工場で使用する主な理化学ガラスは石英ガラスとホウ珪酸ガラス(IWAKI-32・Pyrex7740・ハリオ-32・Duran-50)などです。この他にも様々な種類のガラスがあります。実験の用途や製作の都合によって使用するガラスが変わる場合もあるので、工作依頼時にご相談ください。

ホウ珪酸ガラス
 ホウ珪酸ガラスはSiO₂が主成分のガラスです。B₂O₃の含有量も多いですがNa₂OおよびK₂Oの含有量は少ないので線膨張係数が非常に小さく、特に耐熱衝撃性に優れています。詳しくはAGCテクノガラスのホームページの技術資料をご覧ください。

石英ガラス
 石英ガラスは主成分がSiO₂でホウ珪酸ガラスよりも不純物が極めて少ないガラスです。種類としては水晶を原料とした溶融石英と、四塩化ケイ素を原料としたより高純度な合成石英があります。石英ガラスの線膨張係数は5×10⁻⁷(0~100℃)、軟化点1550~1660℃、徐冷点1080~1220℃と種類により異なりますが、高温処理を必要とした実験の際によく用いられます。

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国立大学法人 東北大学
多元物質科学研究所 ガラス工場
〒980-8577
仙台市青葉区片平2-1-1
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午後 1:15~4:45

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